ここ何年か演劇集団キャラメル・ボックスのオリジナル・サウンド・トラックを担当しているZABADAKだが、実は今作の大部分の楽曲は当初、キャラメルボックスの夏公演用に吉良が書きためていたものが中心となっている。製作しているうちに、演劇という枠には入りきれないスケールになってきたため、ZABADAKのオリジナル・アルバムという形でのリリースとなった。
ギタリスト、吉良知彦のリフが冴える２曲目の「Play your days」、ZABADAKらしい情緒的なメロディーに切ない歌詩が泣かせる「Still I'm fine」、壮大なスケール感で聴く者を圧する「子午線のマリア」、世界を駆けめぐる恋人達の想いを散文的に表現し、上昇感溢れる重厚なサウンドに閉じこめた「地平線」などの曲に混じりZABADAKの王道ともいえる曲が「にじ・そら・ほし・せかい」。これはNHK教育テレビの「おかあさんといっしょ」９月のうたとしてオンエアされた楽曲のZABADAKバージョンである。番組ディレクターからの「ZABADAKの世界そのままで作ってほしい」との要望のもと、自然をテーマにした身近でしかも宇宙までの拡がりをみせるこの曲は、「おかあさんといっしょ」の歴史を変えた、と大好評。子供と親、２代での ZABADAKファン、というリスナーが増える日が来るのも近いかもしれな